永遠に問いかけたくなる場所――京都私が惹かれ続ける理由
2025.10.03
京都駅
私は現在、龍谷大学経営学部の4回生で、日本での留学生活はもうすぐ5年目を迎えます。最初の1年間は東京で大学受験の準備に専念し、その後の4年間は京都で学生生活を送ってきました。
京都――広くもあり、狭くもある街。3年経ってもまだ回りきれないほど奥深くて広いけれど、小さな神社やお寺が、まるで私のすべての思いを引き寄せてしまうような、不思議な魅力を持つ場所でもあります。
私と京都――その縁の始まり
実は、日本への留学を決めるずっと前から、私は京都に特別な縁を感じていました。
中学生の頃、アニメに夢中だった私は、『名探偵コナン』に登場する新一と蘭の恋模様に強く惹かれていました。ちょうどその時期に放送された「修学旅行編」では、秋の京都――特に清水寺を舞台に描かれるロマンチックな雰囲気に心を奪われ、「いつか私も、あの世界のような情景に触れてみたい」と強く願うようになりました。
そして中学を卒業した夏、ついに私は初めて京都の地を踏みました。念願の清水寺へも訪れましたが、当時はちょうど改修工事の真っ最中で、屋根の瓦すら見ることができませんでした。それでも不思議と心はしぼむことなく、むしろその静けさの中に、京都という街の奥ゆかしさや時間の流れを感じることができました。
三年坂にある桜の木は今も変わらずそこにあり、新緑が夕陽に照らされながら、そよ風に揺れていました。その瞬間、私は「またきっとこの場所に戻ってくる」と、桜の木がそっと約束してくれたような気がしました。
「なぜ京都なのか?」――迷い
消えない憧れを胸に、私は日本への留学を決意しました。多くの留学生と同じように、最初の一年間は東京で過ごしました。
東京は本当に賑やかで、どこに行っても光と人にあふれていました。渋谷の交差点では夜通しネオンが輝き、新宿・歌舞伎町の灯りは絶え間なく煌めいていました。池袋西口北では、さまざまなアクセントの言葉が飛び交い、馴染みのある料理の香りが漂い、大手町の高層ビル群は夜の闇の中でまるで人の情熱を吸い取る鉄の巨獣のようにそびえていました。そんな東京の息苦しさの中で、受験勉強に疲れ果てていた私は、「ここに居続けたら、自分の原点を見失ってしまうかもしれない」と感じるようになりました。
そして気づけば、私は京都に向かう日を、指折り数えるようになっていました。


ちょうどその頃、先生や友人から「なぜ京都を選んだの?」と何度も尋ねられました。そのたびに私は答えを変えていました。「紅葉の季節に清水寺を歩きたいから」「京都には文化の奥深さがあるから」「学びたい大学が京都にあるから」── どれも本当だけれど、どれも核心ではないような気がしていました。
京都という目的地に向かっているのに、自分が目指すものの姿はまだ霧の中。でも、ひとつだけ確かなことがありました。それは「京都なら、自分の原点を見つけ直せる気がする」という思いです。静かで深くて、流れる時間がやさしいこの街で、私はようやく「ここにいていい」と思える場所に出会えるような気がしていました。
だから私は、京都に来たのです。