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京都プレミアム体験・交流事業参加記
~謎解きから龍の物語へ、そして留学生の胸に残ったあたたかさ~

京都プレミアム体験・交流事業参加記<br>~謎解きから龍の物語へ、そして留学生の胸に残ったあたたかさ~

みなさん、こんにちは。私は龍谷大学経営学部4回生の肖書琦(ショウショキ)です。今回は、11月8日(土)に参加した「京都プレミアム体験・交流事業」での体験を、留学生としての視点から振り返ります。

映画村を駆け抜けて:謎を解きながら、言葉と文化の距離も少しずつ縮まった

朝の8時頃、まだ空が明るくなり始めた京都駅に、各国・各大学から集まった留学生たちが集まった。互いに初対面の人がほとんどだったけれど、「これから一緒に特別な一日へ出発する」という空気が、自然と場を和ませていた。バスに乗り込み東映太秦映画村へ向かう道のりは、まるで映画のオープニングのようで、この先にどんな展開が待っているのか胸が高鳴った。
同じチームになったチリ出身のお姉さんが、とても印象深かった。38歳で日本に来て、慣れない言語の中で新しい生活を始め、デザインの仕事に挑戦している。静かな雰囲気の中に強い意志を感じる人で、日本語の説明を必死に聞き取りながら、真剣に議論に参加する姿勢に、私は深く心を打たれた。
実際にゲームが始まってみると、本当の困難はここからだった。中国で体験した「密室逃脱」は、仕掛けを探しながら部屋から脱出するタイプだが、日本の「謎解きゲーム」は全く違う。江戸の街並み、武士屋敷、映画のセット、NPC…。そのすべてが謎解きの舞台になり、まるで「時代劇の世界で頭脳戦をする」ような感覚だった。
最大の壁は、もちろん「日本語」。ヒントもセリフも説明もすべて日本語。初めて見る単語も多く、言葉遊びや文化的な前提を使った謎は、なおさら理解が難しかった。そんな時、同じチームの日本人の女の子が、丁寧に意味を説明してくれたおかげで、何とか道筋を取り戻すことができた。そして、ようやく答えに辿り着いた瞬間の「そういうことか!」という快感は、言葉の壁を超えた達成感として胸に残った。
日本の謎解きゲームは「体」ではなく「頭」を使う。仕掛けを探すより、言葉や発想を読み解いていく。それは単なる遊びではなく、文化理解・言語への挑戦を含む総合体験だった。
汗をにじませながら走り回り、話し合い、推理し、失敗し、また挑む。最後にチーム全員でクリアできた時、そこには国籍や母語を超えた、本物のつながりがあった。

東映太秦映画村入り口
東映太秦映画村入り口
謎解きゲーム
謎解きゲーム

天龍寺の龍:伝統と因果、そして“表象の奥を見る”という学び

謎解きゲームを終えた後、再びバスに乗って嵐山へ向かった。車内の空気は一気にリラックスムードに変わり、日本人の女の子とドラマや俳優の話で盛り上がった。彼女が「赵露思(チャオルースー、中国の女優)が大好き」と言うので、私は最新ドラマ『许我耀眼』をおすすめし、そこから菅田将暉、米津玄師、MRS. GREEN APPLE…と、お互いの好きなものについて語り合った。
天龍寺に到着すると、法堂の中に入り住職のお話を聞いた。法堂の天井に描かれた雲龍図を見上げながら堂内を歩くと、どこに移動しても龍の目線が自分を追ってくる。不思議な迫力があり、「八方睨みの龍」と呼ばれる理由が、体感として理解できた。
住職は、龍が寺院の法堂に描かれてきた理由を話してくれた。
龍は古来より“仏法を守護する象徴”であり、“火災から木造の法堂を守る存在”でもある。天龍寺の雲龍図は加山又造によって描かれたもので、その龍は日本では珍しい「五爪の龍」。本来、五爪は中国の皇帝、日本の天皇を象徴する最上位の存在で、明治期までは日本では図案化することは避けられてきた。しかし平成に入って新たに制作する際は、あえて五爪が選ばれたという。時代が変わり、古い価値観をそのまま踏襲する必要はない、という判断だった。
その話を聞いた時、私はふと「これは天龍寺だけの話じゃない」と思った。文化は受け継ぎながらも、時代とともに新しくなる。そして私たち“異文化の中で生きる人間”もまた、常に変化している。

住職の言葉が、胸に深く残った。「万物には因果がある。目に見えるものだけで判断してはいけない。」

私たちはつい“今見えている形”だけで結論を出しがちだ。だが、理解とはその奥の理由を知ろうとする姿勢。風が枯山水を撫でる音を聞きながら、私は、留学生活の中で自分もまた“表象の背後を見る力”を少しずつ育ててきたのだと気づいた。

天龍寺を皆で拝観
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天龍寺&紅葉
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